2020.09.30
蓄電池
需要が増加中の家庭用蓄電池。購入を検討する前に最低限知っておくべきことは?
こんにちは、ELJソーラーコーポレーション名古屋本社の角谷です。
家庭用蓄電池は太陽光で発電した電気を蓄えて、必要な時に使うことができます。この機能が 災害時の非常用電源として有効的 であることから、今注目を集めています。
家庭用蓄電池には、ポータブル型と据置型があり、さらに据置型は、「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類にわかれます。やや複雑に思われるかもしれませんが、初心者にも分かりやすいように解説してみますね。
1.持ち運べるポータブル型と、屋内外に定置させる据置型
まず、ポータブル型と据置型の特徴を解説しましょう。
ポータブル型蓄電池
- 小さくて持ち運びがしやすく、設置工事も不要。被災して家の中で暮らせない場合、屋外で電化製品をつなげて使うことができます。アウトドア愛好家の中には、持っている方もいますね。
- 蓄電容量の少ないものが多く、接続した家電製品が使える時間が限られてしまいます。なお、容量の大きなものを求める場合、コストはアップ。
- 太陽光発電システムとの連動ができないので、停電時に電気が自動復旧しない。
据置型蓄電池
据置型は、分電盤と接続して使うようになっているのですが、接続の仕方によって、「特定負荷型」と「全負荷型」のどちらかの家庭用蓄電池を選択しなければなりません。
- ポータブル型のように持ち運んで使うことはできません。屋外・屋内に定置させて使います。
- 太陽光発電システムと連動させて、普段の生活でも夜間に使用する電気をまかなうことができます。その結果、電気代の節約が実現。
- 停電が発生した時、自動的に家庭用蓄電池から電気の供給が始まるので、家の中で電化製品がそのまま使えます。
私たちが普段お客さまと接する際は、 ほぼ100%据置型をおすすめ しています。なぜなら、据置型の方が経済的メリットにすぐれ、災害時の安心感も大きいからです。
2.据置型の家庭用蓄電池は、「特定負荷型」と「全負荷型」にわかれる
実は据置型の家庭用蓄電池にも種類があります。据置型は、分電盤と接続して使うようになっているのですが、接続の仕方によって、 「特定負荷型」と「全負荷型」 のどちらかの家庭用蓄電池を選択しなければなりません。
特定負荷型の蓄電池
家庭内の特定のエリアだけに電気を供給する ような仕組み。例えば、1Fのリビングに電気が供給できるようあらかじめ設定しておくと、停電時には該当エリアに電気が供給されます。ですから、テレビを見たり、照明を付けたりするのは可能。しかし、2Fの寝室や子ども部屋といったエリアには電気が供給されません。つまり、特定負荷型を設置する時は、停電時の過ごし方をイメージしておく必要があります。また、特定負荷型は、出力タイプが100Vのものがほとんど。最近は200Vの家電も増えてきたので、使用する際には注意が必要です。
全負荷型の蓄電池
電気が使えるエリアを選択する必要はありません。 だから、停電時でも家中に電気が供給されます。また、出力タイプが200Vなので、エアコンやお湯が使えて、ほぼ普段通りの暮らしを維持。特にオール電化だったり、子どもやペットがいる家庭は、こちらを選択するのがベターです。ただし、特定負荷型よりは、商品単価が上がります。3.家庭用蓄電池を後付けした場合の注意点
実は太陽光発電システムと家庭用蓄電池を動かすには、 パワーコンディショナーという機器 がそれぞれに必要。でも昨今は、太陽光発電システムと家庭用蓄電池の稼働を1台で賄えるハイブリッドパワーコンディショナーが登場しています。これがあれば、停電が起きても、自動で家庭用蓄電池から電気の供給が始まりますので、充電さえできていればひと安心です。
太陽光発電システム導入の際に、家庭用蓄電池を設置しなかった場合は?
すでに 太陽光発電システムだけを導入していて、家庭用蓄電池を持っていない方 については、蓄電池を後付けした時に、別途でパワーコンディショナーが必要。つまり、2台のパワーコンディショナーを設置しなければなりません。この場合の停電発生時には、自動では電気の供給が始まりませんので、 手動による自立運転モードへの切り替え を行います。ですから、切り替え方法の事前確認が必須。これを怠ると、せっかく家庭用蓄電池を設置しているにも関わらず、非常時に電気を供給することができません。
でも、安心してください。家庭用蓄電池を後付けした方も、 ハイブリッドパワーコンディショナーに取り替えることができます。 太陽光発電システムのパワーコンディショナーの交換目安は10年と言われていますので、そのタイミングで家庭用蓄電池を導入し、同時にハイブリッドパワーコンディショナーに取り替えるとよいでしょう。
なお、家庭用蓄電池の重要性については、別の記事でも紹介しています。太陽光発電システムの導入を考えている方はもちろん、太陽光パネルのみで家庭用蓄電池を持っていない方にも参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
>>太陽光発電と蓄電池の組み合わせがおすすめな理由。電気代、売電、停電時にどれだけメリットがあるの?
>>固定価格買取制度(FIT)が終了した後、54%の人が「電力を自家消費する」と回答。注目される”家庭用蓄電池”の重要性