2020.10.05
環境
エネルギー消費を抑えるZEH(ゼッチ)をご存知ですか?導入コスト、メリット、補助金などを詳しく解説します!
こんにちは、ELJソーラーコーポレーション株式会社岡山支社の樋渡です。
皆さんは、 ZEH(ゼッチ) という言葉を聞いたことはありませんか。ZEHとは、 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称 で、簡単に言うと、年間の家のエネルギー収支をゼロを目指す住宅のこと。家づくりを経験し、ハウスメーカーなどを訪問された方なら、営業マンからおすすめされたことがあるかもしれませんね。
今回は、このZEHについてあらためて解説していきたいと思います。
ZEHの普及は、政府が掲げる大きな目標
年間の家のエネルギー収支をゼロ以下にしてくれるZEH。 日本では、経済産業省が「2030年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する」という政府目標の達成に向けて推進の考えを打ち出しています。では、 エネルギー収支をゼロ以下にするにはどうすればいいのでしょうか。 抑えておくべき要点は、以下の3つです。省エネ
これは馴染み深い言葉ですね。あらためて意味を説明しますと、 省エネはエネルギーを効率的に使って全体の消費量を少なくすること。 家を建てた時、省エネ仕様の冷暖房・換気・給湯・照明設備を導入するなどすれば、そうでない家とのエネルギーの消費量が変わってきます。また、電力の使用状況などを確認できるようエネルギー計測装置の設置が求められますので、その場合「HEMS」を導入するのが一般的です。
創エネ
“創”は創造、つまり“つくり出す“という意味。 太陽光発電システムなどを使い、家で消費する電気をつくってしまおうというわけです。 一般的に私たちは、日々電気を電力会社から買って生活していますが、電気を自宅でつくり出し、自家消費すれば、電気代は大幅に削減できます。
断熱
断熱とは、熱の出入りを遮ること。 断熱材を使った家づくり を行って家の外の熱を室内に伝わりにくくし、快適な室温を保つという意味です。一般的には、家にいて室温に不快さを感じた時にエアコンを稼働します。断熱により快適な室温が保たれていれば、エアコンの出番も少なくなり、結果的に電気代が節約できます。
ここまでの話を方程式で表すと……
(省エネで節約+創エネでつくり出す+断熱で熱移動を遮る)— 消費エネルギー ≦ 0
となります。
ちなみに、ZEHは大手のハウスメーカーだけでなく、 「ZEHビルダー」 として登録がなされている住宅会社であれば建築が可能です。
ZEH住宅に住むメリットを解説!
これから マイホームの新築・購入を考えている方 は、ぜひZEH住宅を検討してみてください。エネルギー面でのメリットはもちろんですが、今なら補助金制度で初期費用を抑えられますよ!
HEMSで効率的なエネルギー管理
まず HEMSを利用することで消費エネルギーを「見える化」し、住宅のエネルギー管理を行うことができます。 これにより「省エネ」「創エネ」意識を高めることができますし、 HEMSの機能によってエネルギーの消費を自動的にコントロール できるという利点も。
例えば、エアコンの温度設定を気温に合わせて調節したり、電力の使用量に合わせて照明を調光したりするなど、無駄なくエネルギーを使うことができます。
太陽光システムで停電時・災害時でも電気が使える
太陽光で発電したエネルギーを蓄える「蓄電池」を設置することで、 停電時・災害時にも電気が使えるようになります。 また蓄電池に蓄えた電力は日没後にも使用できるので、その分だけ電気代を節約することもできるでしょう。
1戸あたり60万円〜の補助金(2020年9月現在)で初期費用を低減
補助金交付の申請については、当然 新築・購入する家がZEHの定義を満たしておく必要があります。 なお、申請は全国で先着方式。
一方でZEHビルダーが有する申請枠には限りがあるので、 すでに枠が埋まっていたら申請することができません。 また、申請料は28万円かかりますので、ご自身の予算と比較して決めるのが良いでしょう。
また入居後2年間は半年に一度の定期報告アンケート(半年間の光熱費 ※エネルギー計測装置による各種数値・質問)に協力する必要も。万が一回答がない場合には、補助金の返還が求められるのでご注意くださいね。
※補助対象住宅に蓄電システム(定置型)を導入する場合は2万円/1 kWh、補助対象経費の1/3または20万円のいずれか低い額を加算
そのほかにも、ZEH住宅は断熱性能により夏は涼しく、冬は暖かいので無理なく省エネ生活を送ることができます。そして、気密性能により防音が備わるのも、戸建てが密集する住宅街などでは大きなメリットになるのではないでしょうか。
初期コストはかかるが、毎月の電気代は安くなる
ZEH最大のメリットは、冒頭に申し上げたように、 年間の家のエネルギー収支をゼロ以下にできること ですが、一方でデメリットもあります。次の3点については、しっかりと理解しておくと安心でしょう。
初期コストがかかる
省エネを実現するためには、一般的な設備や家電ではなく、省エネ仕様のそれらを揃えなければならず、「HEMS」も必要に。また、 創エネの実現においては、太陽光発電システムの導入が不可欠。 です。
太陽光発電システムのメンテナンス
太陽光発電システムは定期点検が必要です。 まずはパネル以外の機器点検を行い、うまく発電ができているかどうかを確認。 その段階で発電状況が思わしくないと判断されたら、屋根に上がってパネルの状態をチェックします。
補助金の申請作業が手間
ZEHの補助金の申請には様々な書類があり、作成には手間がかかります。また、着工は補助金の交付が決定してからでないとできませんので、必ずしも自身の希望通りのスケジュールで家づくりが進むとも限りません。場合によっては 想定していたタイミングでの引渡しが受けられないことも あり得ます。
初期コストがかかる点については、難色を示される方も多いですが、 長期的な視点で見れば毎月の電気代は安くなります。 また、太陽光発電システムによってつくり出された電気量が、消費した電気量を上回った場合は売却できますので、その月の収支がプラスになる場合もあります。
ZEHの定義が満たせるかどうかは、太陽光発電システムがポイントになる
最後にZEHについて、お客さまから よくお問い合わせをいただく質問 を紹介いたします。ZEHの導入を検討される際、少しでも参考にしていただけますとうれしいです。
建築済みの戸建てもZEH仕様にできますか?
リフォームによって、ZEH仕様にできます。 ただし、ZEHの定義を満たすためには、断熱性能が必須。ですから、屋根、壁、床の断熱改修や窓などの開口部にも高い断熱性能を持たせなければなりません。つまり、間取りを変えるだけでは、ZEH仕様とは認められないのです。ELJは、ハウスメーカーと連携して、ZEHの導入提案をしているのですか?
はい、行っています。現在提携しているパートナー企業様と協力し、新築・建替えをご検討中のお客さまに対して、ZEHをご提案しています。 家のことは家のプロに、太陽光のことは太陽光のプロ に任せてもらえれば、お客さまも安心です。
また、ELJでは太陽光発電システム以外にも、 住宅リフォーム全般のご案内もしています。 「今の家を少しでも省エネ住宅にしたい!」「ZEH化するにはどうすればいいの?」といったご相談も受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
蓄電池もZEHには必要?
これは誤解です。 ZEHは、その性能レベルによって呼び名が異なります。
例えば、
- ZEHの定義+電気自動車を充電できる設備(V2H)や蓄電システムを導入した住宅=ZEH+(ゼッチ・プラス)
- ZEH+の要件に、停電時に主たる居室での電源確保や蓄電システムを導入した住宅=ZEH+R(ゼッチ・プラス・アール)
と呼びます。
ZEHの定義を最低限満たすだけであれば、蓄電システムを導入する必要はありません。 ただし、太陽光発電システムでつくった電気を蓄えておくと非常時などに役立ちますから、つくったエネルギーを賢く使うという意味では蓄電システムがあると頼もしいです。太陽光発電システムによってつくられる電気の量次第で、ZEHの定義が満たせるかどうかが変わってきます。最新の太陽光発電システムはもちろん、蓄電システムも取り扱っている弊社であれば、 お客さまの家や電力の使用状況に合わせた最適なご提案 が可能です。
今回の記事を読んでZEHについて気になる方はぜひ、ELJまでお問い合わせをいただけますと幸いです!