2021.02.20
環境
エネルギーの“見える化”や家電の自動制御を行う「HEMS(ヘムズ)」。太陽光発電とも相性が良いその理由は?
こんにちは、ELJソーラーコーポレーション株式会社岡山支社の村田です。
今回は、 住宅のエネルギー管理を行うHMES(ヘムス) について、様々な情報をお届けしたいと思います。先日、年間の家のエネルギー収支をゼロ以下にする住宅ZEH(ゼッチ)についてコラムでご紹介させていただきました。HEMSはZEHを実現するためには不可欠なシステムです。
本コラムでは、HEMSの概要から導入によって得られるメリットなどをご紹介し、皆さんのHEMSに対する理解を深めたいと思います。
HEMSによって無駄を省いた省エネ生活が実現
はじめに、 HEMSの概要とメリット からお話しします。
HEMSとは
HEMSは、Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)」の略。エアコン、照明、給湯器など、家庭で使われる電気機器をつないで、 エネルギーの使用量をモニター画面を通じて“見える化”したり、エネルギーの使用を制御するといった仕組み を意味します。
HEMSを機器の名称だと誤解されている方が多い印象ですが、 HEMSとはあくまでも前述の仕組みの名前 であり、特定の機器を指しているわけではありません。
政府は、 2030年までにHEMSを全世帯に設置 することを目標に掲げています。
HEMSのメリット
HEMSには以下の大きなメリットがあり、それによって、 無駄を省いた省エネ生活 が可能になります。
- 見える化による省エネ意識の向上
- 電気機器の自動制御
例えば、エアコンを25度の設定で運転を開始したとします。 30分後室内が涼しくなったら、自動で省エネ温度(28度)に切り替わり、エネルギーの使用量を抑えます。 このほか、電気代が安い夜間の時間帯に自動で食器洗い機を動かしたりすることも可能です。
- 電気機器の遠隔操作
HEMSは最新のIT技術によって、各家庭レベルで高度な省エネが実現できる画期的なシステムと言えます。
既存の住宅でもHEMSは導入できる
HEMSは、省エネに対してかなり有効ですが、 導入までのハードルが高い と思われている方もいらっしゃいます。でも新築に限らず、 既存の住宅でもHEMSは導入できます。
既存の住宅でHEMSを導入する場合は、HEMS対応の分電盤と電気機器を設置すれば連携が可能。なお、外出先から電気機器の操作を希望するならネット環境が必須です。その場合はインターネット接続で利用できる「クラウド型HEMS」を導入してください。ただし、 導入に際して以下のデメリット があることもご理解ください。
HEMSのデメリット
- コストメリットを感じにくい
HEMSの導入には各種機器の導入・工事が必要になりますが、 導入にかかる費用と導入後に節約できる金額の比較、回収までにどのくらいの期間がかかるか というのが明確になっていません。つまり、コストメリットがはっきりしていないのです。
また、 導入する家庭によって電気の使用状況や導入に必要なコストが異なります ので、詳しくは本格的なシミュレーションしてみることをおすすめします。
- HEMS対応の電気機器の種類が少ない
HEMSと電気機器を連携させるには、 経済産業省が推奨する「ECHONET Lite(エコーネットライト)」という規格に対応した機器 でなければなりません。対応機器を持っていなければ、HEMS導入と同時にそれへの買い替えが必要になるでしょう。また、残念ながら、まだ市場には対応機器が少ないです。ただし、政府としても定着を計画しているわけですから、今後対応機器は増えていくことが予想されます。
もしHEMS単体で導入する場合でも、 HEMSに対応した冷蔵庫や照明、エアコンなどは、室温や照度センサーと連携 することで稼働率をグッと抑えることができます。
HEMSは、売電収益アップにも貢献
HEMSとつながるのは、いわゆる家電製品だけではありません。 ELJが扱っている太陽光発電システムもつながります。 そこで、ぜひ知っておいてもらいたいことがあります。それは、HEMSと太陽光発電システムが好相性だということです。
先ほど申し上げたように、HEMSは、家庭で使われる電気機器の自動制御を可能にし、使用電力量を抑えてくれます。ということは、 電力の無駄使いを防いでくれるわけです。 無駄遣いする電力が少なくなれば、売電に回す量を増やすことができます。
電力の自由化以前から、大手電力会社はスマートメーターの普及に力を入れてきました。実はスマートメーターは通信機能を備えた電力計。これも太陽光発電システムと同様に、HEMSと連携させることで、電気の使用状況や異常などを電力会社に伝えることも可能です。 電力自由化により一般家庭でも電力会社やプランの選択肢が広がっている今 、電気の使用状況に合わせた最適なプランを選ぶことにも役立ちます。
曇天で太陽光発電システムによる発電量が少ない日には、エアコンの温度を制御し、消費する電力量を抑え、売電調整を行ったりもします。また、見える化では発電量を確認することができますが、 例年よりも発電量が大きく落ちているとしたら、太陽光発電システムに何かしらの不具合が起きているかもしれません。 このように、太陽光発電システムの調子をHEMSから読み取ることもできるんです。
さらに現在、蓄電池の設置を検討している方はHEMSに加えて AI機能を搭載したサービスを導入してはいかがでしょうか 。AI機能があれば各ご家庭の電気の使用方法を日々学習して、 電気を使用する時間帯・曜日に合わせた電気使用量を自動で予測。 なかには、お住まいの地域に気象警報が発令された場合に、それを検知し、災害による停電に備えて蓄電池へ充電を開始させる機能や、その他クラウドサービスを活用したHEMSもあります。日々、 「エネルギーの見える化」 は進化しています。
ELJでは最新の太陽光発電・蓄電システムを取り扱っております ので、HEMSを検討・導入されているお客様にも最適なご提案をさせていただきますよ!